うっすい記憶のうっすい評論

昭和50年代を中心にした思い出話です。

福島第1原発事故

福島第1原発事故から5年経ちました。

 

その日は東京出張中で、最終便で熊本に帰る予定でした。

打合せ中に地震が発生、クライアントの入っているビルが封鎖となり、

帰宅難民と化した私は、2時間程歩いて、なんとか知人宅に転がり込むことができました。

 

あれから5年、事態は収束に向かっているのか本当のところはよくわかりません。

  

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黒澤明監督の「」は複数話で構成されている映画で、そのうちの1つに「赤富士」という原発の話があります。

 

原発が爆発し、逃げ惑う主人公の周りを赤や黄色の煙が覆います。

放射性物質に色を付ける技術が開発され、原発事故で漏れた放射能が目視で可能となっています。

 

また、Wikipediaに「付臭」として以下の説明があります。

1937年にアメリカで、無臭ガスの漏洩が原因で爆発事故が発生し(ニューロンドン学校爆発事故)、これ以降ガス漏れをいち早く察知する簡便な方法として、無臭のガスに人工的に臭いをつけることが世界的に普及した。ただし、条件によってはガスの臭いを感じないこともあるため、ガス漏れ警報機などを併用することも必要である。

 

放射能に色を付けたり、臭いを付けることはできないのでしょうか?

この技術ができれば、

「福島第1原発周辺の空はきれいでしょ、臭いもしないでしょ。海水にも色がついてないでしょ。だから安全なんですよ。」

と国内外に向けて説明ができ、皆も納得できると思います。

 

劇中では、放射性物質に色を付けたけれども、

知らずに殺されるか、知ってて殺されるか、それだけだ

とのセリフもあります。

 

一体どちらがいいのでしょうか・・・

 


Mount Fuji in Red [excerpt] / Dreams / AK / 1990

 

公開当時の平和な時には、それほど気に留めなかったのですが、事故後の今となっては、セリフの1つ1つが胸に刺さる映画です。